寒冷地の特色を生かした、内外温度差による計画換気。屋外の新鮮な空気を床下から取り入れ、床下に設置した暖房器で空気を暖めたら室内へ。汚れた空気は天井の排気筒から屋上へ。

温度差によって動く空気の流れを生かし、自然の動力でランニングコストがゼロの「パッシブ換気」の考え方に賛同して家を建てたDさん。無垢のパイン材のフローリングがぬくもり感を印象づけるリビングは、一部吹き抜けで開放的。テラスの向かいは現在駐車場ですが、いつ住宅が建つともわからないので、リビングにプライバシーと適度な採光が得られるよう、大工さんの苦心の作の木塀で目隠ししました。

設計者の天谷一男さんの「家全体が一体の空間としてつながっていることが、最大の特徴。自然の素材にこだわり、パッシブ換気で家族の思いの健康的な家が出来上がりました」という言葉どおり、健やかな空気感が感じられるDさんのお宅。

（リプラン北海道 vol.63 掲載）