シックハウス対策に徹した、自然素材と自然換気の家
札幌市手稲区 N様邸
奥さんは体が丈夫ではないうえ、お子さんがアトピー体質だったNさん宅で最も重視したのはシックハウス対策でした。実は私もアトピー体質で、Nさんのご苦労は良く分かります。今回は徹底してシックハウス対策をとりましたが、一番苦労したのは建材探しでしたね」と設計者の天谷一男さん。
できるかぎり合成素材は使わない方針を決め、床は厚さ30ミリの無垢のパイン材に植物性ワックス仕上げ。壁紙はドイツ製の天然パルプシートを天然のりで接着。どうしても合板が必要な造作建具はすべて、ホルムアルデヒドの放出を抑える効果があるセラミックニスを塗りました。また和室の畳も九州から防腐剤を使用しないいぐさを取り寄せ、浴室の天井と壁には抗菌効果の高い青森ヒバを張りました。さらに室内の空気を汚さないために、床暖房と、温度差を利用して空気を自然対流させるパッシブ暖房を採用。建築後に行ったホルムアルデヒド測定では、厚生省の基準値をはるかに下回る好結果となりました。
「おかげさまでいつも空気が新鮮で体調も良いんです。でも普通の家の何倍もの手間がかかって、大工さんは大変だったでしょうね。それなのに造作家具や建具もとても丁寧な仕上がりで、本当に満足しています」と奥さん。 仕上がりの美しさは施工にあたった大平洋建業の技術の賜です。設計と施工の強力なタッグから生まれた快適空間で、Nさん一家の健やかな新生活がスタートしました。
(リプラン北海道 vol.55 掲載)